皆さんは心臓マッサージの経験はありますか??
今回はそんな心臓マッサージについて書いていこうと思います。
知識や練習での経験がある方、ない方も少しでも心臓マッサージに躊躇せず、勇気を持って行うことができるように知識や実際の経験などをお伝えできればと思います。
関連しているもので非常に重要なのがAEDです。
AEDに関しては下記記事を参考にしてください。
心臓マッサージとは
心臓マッサージが必要な状態はいくつかあります。
具体的には
心臓が痙攣するような不整脈が起きているとき
心臓が完全に停止しているとき
脈が遅すぎて脳への血流が流れず意識を失っているとき
です。
傷病者を見つけて、意識も脈も呼吸もなければ心臓マッサージの適応です。
また、心臓が止まる原因は様々です。
心疾患、脳血管疾患、出血多量や窒息、肺塞栓、尿毒症、電解質以上、気胸など様々な原因があります。
いつ周りに人がそうなるかはわかりません。
目の前に歩いている人がなるかもしれません。
心臓マッサージの実際
では具体的にやり方を確認してみましょう。
手順としては
1.意識の確認
2.助けを呼ぶ
3.呼吸と脈の確認
4.心臓マッサージ
の順番です。
意識の確認
日本医師会救急蘇生法より引用
突然倒れた方や人だかりに駆け寄った際に誰も何もしていない場合、まず意識の確認を行います。
意識を司っているのは脳です。
その脳を動かすのは心臓から流れ来る血流と血液内の酸素です。
つまり
脳に血液がうまく流れていない
酸素が十分に脳に行き渡っていない
という状態が多くの場合、意識を失う原因になります。
なのでまず意識の確認をしましょう。
ここで反応が得られる場合は脳への血流や酸素はまだ保たれているため、助けを呼んだり、救急車を呼ぶなりしましょう。
助けを呼ぶ
日本医師会救急蘇生法より引用
助けを呼ぶことは非常に重要です。
一人ではやれることに限界がありますので、助けを呼んで人が向かっている間に自分のやれることをやるというのが基本です。
意識がなければ、大声で助けを呼ぶ or 1人であったり家などであれば119番通報を優先しましょう。
119番に電話したら、名前と住所(周辺で目印になる建物など伝えると良い)を伝えて、傷病者の状態を伝えます。
そうすれば、混乱していても電話越しに通信指令の方がまず何をすればいいか教えてくれるのでその通りに行動しましょう。
呼吸と脈の確認
日本医師会救急蘇生法より引用
胸の動きと脈を確認しましょう。
呼吸に関しては、胸の上がりを見たりして呼吸があるかないかを確認します。
顎を使ったような普通の呼吸じゃない場合は、呼吸がしっかりと機能していません。
脈に関しても喉仏から指1本分左右どちらかにずらした位置で指先を当てると脈を確認できます。
これで脈が感じられない場合は脈はありません。
これらで呼吸の有無と脈の有無を確認できます。
心臓マッサージ
日本医師会救急蘇生法より引用
心臓マッサージは1分間に100回のペースで行います。
心臓マッサージをする具体的な部位は
乳首と乳首を結んだ中央にある「胸骨」という部分に掌の一番力が入る手首の近い部分を押し当てて押します。
片方の手の付け根を胸の真ん中に、もう片方の手の指を片方の手に組んで重ねます。
両腕をまっすぐ伸ばしながら押すことでより力が入りやすくなります。
押す力は
少なくとも胸が5㎝沈む程度
にします。
これは思っている以上に力を入れないといけないので、わからなければ、とりあえず思いっきり押しましょう。
一度押したら
しっかり胸が元の位置に戻す
そして次の圧迫をします。これの繰り返しです。
最近では一般の方も講習を受けたりして、知識を身につけている方も多いのです。
しかし蘇生のガイドラインは臨床研究等に基づいて、定期的に更新されています。
現在では人工呼吸は、人がいない、人工呼吸専用のマスクが近くにない場合は省いても構わないとなっています。
私の経験談
私は学生時代はずっと田舎に住んでいたので心臓マッサージを実際に人にしている所は目にしたことがありませんでした。
しかし都内に引っ越してきてからは、何度か現場を目撃することがありました。
仕事帰りの病院近くの交差点で人が倒れているのを発見しました。
すぐに駆け寄って上記で説明した意識の確認、人を呼ぶ、脈と呼吸の確認をしてから心臓マッサージをしました。
次第に人も集まって、AEDも到着し、救急車もその後到着して病院へ搬送されて行きました。
私は覚えているのは、一人で蘇生している時、周りに4〜5名の人を確認していましたが、皆遠くで見ているだけでした。
こういったことがないように、皆さんにもぜひ勇気を持ってもらいたいと思います。
現場で働く看護師として伝えたいこと
一般の方がよくイメージされているのが
「病院につけばもう安心だろう」
「あとは何とかしてくれる」
ということではないでしょうか??
確かに病院につけば高度な医療を専門の人たちから受けることができます。
ただ、心肺停止になった方は初期対応でその人の生死を分けます。
つまり何が言いたいかというと、
「倒れたその時に、対応してくれた内容によって生死が分かれる」
ということです。
病院に運ばれてきた時点で多くの場合は決着がついているとも言われています。
病院に運ばれる以前に、最初に倒れた本人を発見した人がどんなことをしてくれたのか
でその人の命運を分けるのです。
私がいつも本当に辛く、歯がゆく感じることがあります。
家で物音がしたから見に行ったら夫が倒れていた、妻が倒れていた。
混乱しながらも119番通報したけど心臓マッサージなんてよくわからないし怖いし、救急車が来るのを待っていた。
結局救急隊が到着する10分近く何もされないままだった。
心臓が止まった人を何もせず10分放置すると多くの人の命は失われます。
その段階でいくら高度医療が受けられる病院に運ばれても結果は変わらないことがほとんどです。
倒れたとき、近くに誰かがいて、その人が真っ先に胸を押してくれたか否か。
これが本当に大切なんです。
知っていれば助かる命が山ほどあるのに、知らないから助けられなかった命があるのも事実です。
少しでも多くの人に知識が普及して、大切な家族や友人との時間を少しでも長く過ごしていけるようにしたいですね。