近年AEDが広く認知され、普及されるようになったためAEDの講習を受けた方や、実際に使ったことがある方も少なくないと思います。
今回はそんなAEDの役割に臨床現場で働く看護師が考えたことをお伝えしたいと思います。
AEDは今、一般市民の使用も許可されています。
ぜひ使い方も覚えて欲しいと思います。
AEDとは
AEDとは「自動体外式除細動」の略です。
今では大きな商業施設やビル、学校など人が多く集まる場所には比較的目にすることが多くなってます。
先日、AEDに命を救われた患者さんは中学生の野球クラブチームのコーチをされている方でした。
その方は練習や試合などの時に常にAEDをチームで1台管理して持ち歩いていたそうです。
自分が持っていたAEDによって自分の命が救われたと、本当に不思議な気持ちですと話されていました。
話がそれましたが、
AEDの役割としては、「心臓が痙攣をおこしてうまく作動しなる不整脈が起こった人に、電気ショックを与えて正常なリズムに戻す」というものです。
AEDはとても賢いため、AEDによって治療可能な不整脈かどうか、AED内のジェルパッドを体に貼ることで自動で判断してくれます。
道端などで卒倒されている人の中にはAEDで蘇生が可能な不整脈で意識を失って心臓が停止している方がいます。
実際はAEDを装着するまで、不整脈が出ているのか他の理由なのかはわかりませんが、とても心強い味方ですので、少しでも知識をつけて、すべての日本人がためらいなくAEDに触れるようにしてもらいたいと思います。
AEDで助かる命があるのか
実際にAEDを触ったことも見たこともない人は、
と思うかもしれません。
実際に心肺停止になった人がいて、AEDによる電気ショックが1分遅れるごとに社会復帰できる確率は7-10%程度下がると言われています。
逆算すれば、10分AEDが作動もされず、心臓マッサージもされなければ計算上はほとんど助からないことになります。
今まで見て来た患者さんで本当に稀に、そんな中、社会復帰できる方もいますが・・・
やはり経験上でも、AEDをすぐに持ってきてくれ、使用された方は元気にに退院される方が多い印象です。
当初はあまり意識していませんでしたが、都内の駅の係員さんなども本当によくAEDの使い方や講習をされているようで、駅員さんによって助けられた人も少なくありません。
AEDの使い方
AEDは電源を入れると自動で音声が流れ、電気ショックをかけるまでの流れを解説してくれます。
AEDの使い方を5つのstepで記載します。
1.電源を入れる
まずは電源を入れましょう。
基本的に電源ボタンも非常にわかりやすいので迷うことはありません。
2.電極パッドを貼る
次にAEDの中に入っているパッドを患者さんの胸に貼ります。
日本光電AED情報サイトより引用
3.心電図を解析する
心電図を解析すると書いていますが、これはAEDが自動で行なってくれます。
4.ショックを行う
電気ショックが必要な場合は、ショックボタンを押すことで電気ショックをかけることが出来ます。
日本光電AED情報サイトより引用
5.心臓マッサージを続ける
AEDが作動したら、あとは救急隊が来るまで心臓マッサージを続けましょう。
AEDの実際
心臓マッサージを受ける人やAEDによる電気ショックを受ける人の数は年々増加し、決して特別なことではなくなってきています。
しかし、倒れる瞬間を目撃された人の中でも、AEDによる電気ショックが行われたのは4.5%というデータもあります。
私は臨床現場では実際AEDを使われて運ばれてきて入院してきた患者さんを幾度もみてきました。
上記にもいくつか書いておりますが、その中で入院後社会復帰された人に共通していることは、
1.AEDが速やかに使われていること
2.倒れた場所の近くにAEDがあった
3.AEDを実際に使える人がいた
ということです。
AEDは誰でも素人でも使えるように、本当にシンプルな手順で使えるようになっています。
しかし、
初めてだから使い方がわからない
なんかよくわからない怖い
という理由でAEDを使われず、後遺症を残した人や亡くなっていく人も多いのが事実です。
とお思いの方も多いと思います。
実際に触った人は
「まさか自分がやると思わなかった」
「やってみると以外とできた」
などの声もあります。
何を隠そう、私自身も外で自分がAEDを使う時なんか来ないと思っていました。
が、看護師3年目ぐらいの時に、交差点で倒れている人を発見し、助けを呼び、心臓マッサージをし、AEDも使った経験があります。
知識があるかないかで人の命を左右する可能性があります。
是非、AEDの使い方、インターネットなり、講習を受けるなりして身に着けて頂きたいと思います。
またAEDを装着するまで、装着したあと病院に運ばれるまでにいかに質の高い心臓マッサージができるかどうかが、その人の今後が左右されます。
心臓マッサージについては別記事にてお伝えしたいと思います。