昔から医療ドラマは非常に人気が高いですよね。
主人公も看護師であったり、医者であったり色んな視点から描かれていますね。
取り上げられる分野も一般病棟、集中治療室、救急、手術室と様々です。
今シーズンも医療ドラマがやっておりました。
しかもどの医療ドラマも今はやりのイケメン俳優、美女女優が演じるということもあって、とても華やかでカッコイイ演出ばかりです。
医療ドラマを見て医療者を目指す方も多いと思うので、医療者になりたいと思う人が増えるのも本当にうれしいことです。
実際に、患者との関わり方も勉強になる部分も多いかと思います。
医療現場もまさにドラマの連続!ってこともありますので。
では実際に医療ドラマと現場にはどのような違いがあるのか、お教えします。
医療ドラマと現場の違い
医療ドラマと現実はやはり大きく違うことがたくさんあります。
あり得ないことが起こる
誰もが理解していることだとは思いますが、やはりドラマと現実は違う部分が多いです。
ドラマではあり得ないことが普通に起こったりします。
ただ、昔の医療ドラマはあり得ないことが多すぎました。
「ナースのお仕事」というドラマは10年も20年も昔の人気ドラマですが、子ども時代の自分は楽しく見させてもらっていました。
ただ、今、看護師として働いていて思い返すと、面白い内容ですが
「そんな看護師絶対いない」
なんてことをバンバンやらかしてました。
当時のことはわかりませんが、現代で放送したら現場の看護師もそうなのかとバカにされたりしそうです。
堀北真希さんが主演のまっしろという看護師の人間関係を描いたドラマも看護師からクレームがすごかったと話題になりました。
患者様はお客様というスタンスでどこかの高級ホテルのような対応をしている看護師ドラマで、
「看護師の対応が勘違いされるからやめて欲しい」
なんて声がたくさん上がったそうです。
ドラマと割り切ってくれる人ばかりならいいんですが、中にはそうでない人もいるので、気持ちはわかります。
処置の手技が早すぎる
私が特に気になるところです。
処置に時間がかかり過ぎたらドラマにならない。
本当にその通りです。
でも現場で働く看護師としてはなんとも言えない違和感が・・・。
使っている医療機器も、方法も現場に即したもので、普段見慣れたものではあるので親近感はものすごく湧くのですが、
「早過ぎ〜」
とどうしてもなってしまします。
臓器や血液がリアル感に欠ける
これに関してはだいぶまともになってきたと思います。
それこそ一昔前のドラマでは臓器を見ては
血液を見ては
そんな感じが否めませんでした。
ただ最近のドラマに関しては、しっかりとした医療者の監修のもと作られており、臓器や血液もかなりリアルに再現されています。
逆にリアルになってしまったせいで、血や少しグロテスクな内容のものが見れない人にとっては避けたくなってしまうような内容になっている可能性はあります。
患者が重症から回復する過程が早すぎる
これも臨床で働く看護師としては違いにモヤモヤを感じてしまう内容です。
特に集中治療室で働いている私としては、
「病態的には相当重症なはずで、かなりの長期間ベッド上で臥床していたのに1週間でそんなにスタスタ歩くの??」
と感じる場面がありました。
しかもかなり最近の話です。
「奇跡」はやはりドラマにはつきものだと思います。
重症から劇的な回復をする奇跡は人々に希望を与えるでしょうし、ドラマの内容としても楽しいです。
ただ1週間で人がボディービルダーみたいにマッチョになれないのと同じで、重症な病態や疾患を抱えて長期間ベッド上で寝てた人はそんな簡単には独立して歩けません。
おそらく指導している医療者も歯がゆく感じていると思います。
撮影スタッフに
「リアルはこうじゃないんだけどな」
っていっても
「これはドラマなんで」
なんて言われたら何にも言えないですしね(笑)
将来医療職を目指す方へ
色んなドラマの影響を受けたかたも、身近でカッコイイ医療職の人がいる人も、親が医療職だった人も、色んなきっかけで医療職を目指すと思います。
実際、医療職の現場はとても厳しいですが、やりがいもたくさんありますし、様々な人に触れて、人としても成長できるとても楽しい仕事です。
ドラマを見てあんな風に働きたい、あんな医療服を着てみたいって方もいると思います。
ドラマのようにうまくいくことばかりではありませんが、ドラマのような展開になることも多々あります。
何度も言いますが、理想と現実には必ずギャップがあると思います。
私は今でも現場はとても楽しいと思っていますし、現場で働いてから医療ドラマをみると、今までなかった発見や驚きがあってドラマもさらに楽しめると思いますよ。
ドラマはドラマ、現実は現実として医療者を目指して、皆さまが多くの人の役に立てることを応援しております。
私も日々精進して、様々な患者さんの良き人生の支えの一部になれればと思います。
最後に
シリーズ物のドラマであれば、ドラマの実際の現場がかけ離れている初期の時代と、比較的現場に即した内容になってきている現在との違いがよくわかって非常に面白いです。。
「救命病棟24時」や「コードブルー」など、オススメですよ!
ちなみに「ER」っていう海外のドラマはかなり昔のものでも、現実的てとても面白いのでさらにオススメです。
今は医療は進歩しているので、治療内容や物品などは古いものが多いですが、非常にリアルです。