心電図検定を受けようと思っている方でまず最初に悩まれるのが
「心電図検定の等級別違いが公式HPからではわかりにくい」
ということです。
自分の実力はなんとなくこんなもんだろうと思っていても、結局HPから等級の違いがしっかりと把握できないので自分に合う等級がわからないと言う事態になってしまいます。
実際に私もそうでした。
しかしできることなら自分のステップやレベルにあったものを選ぶ方が身になりますし、学びも深いと思います。
今回は等級がわかりにくいと言う悩みを解消できるような内容を記載していきます。
心電図検定の等級別違い
多くの方が詳しく知りたいのが等級別の違いです。
等級は4級、3級、2級、1級、マイスターの5つに分けられます。
早速それぞれの解説に移りたいところですが、ここで1点補足があります。
2019年度に第5回心電図検定が開催されますが、第5回で初めて「4級」の資格が登場しました。
4級
第5回心電図検定より新しく導入された等級です。
公式HPでは
心電図の基礎的な判読力を有するもの
循環器勤務数年のメディカルプロフェッショナル、心電図に興味のある医学生など
日本不整脈心電学会 公式HPより(2019年〜)
と記載されています。
今回初めて登場する4級ですが、今までの傾向をみると、3級でもある程度マニアックな知識を試される問題が多く出ることがありました。
つまり、循環器専門の病棟でないと出会うことも少ない疾患、心電図が出題されることがあったのです。
なので3級と言えどしっかり勉強しなければ試験に落ちるという人もたくさんいました。
しかし今回4級が登場したことで、心電図を見る機会がある人なら「最低限抑えて置いて欲しい知識」を学べることができる内容になっています。
ざっくり言うと「心電図入門者向け」と言ったことろです。
まだ心電図を見始めたばかりだ
これから心電図に触れる機会があるから勉強しておきたい
そんな人にオススメの等級です。
3級
4級の登場により3級の階級説明にも少し変更が加わりました。
心電図の基礎〜中等度の判読力を有するもの
一般臨床医、循環勤務メディカルプロフェッショナル
日本不整脈心電学会 公式HPより(2019年〜)
現在では上記のように記載されています。
過去の3級の解説は
心電図の基礎的な判読力を有するもの
一般臨床医、若手循環器勤務ナース、循環器勤務コメディカル、心電図に興味のある医学生
日本不整脈心電学会 公式HPより(〜2018年)
とされていました。
4級が登場することで
「心電図をこれから学びたいと考えている心電図入門者や医学生は4級へ」
「その他の心電図に普段触れることのある人が3級へ」
分けられた印象です。
3級は「ある程度普段から心電図に触れる機会がある人向け」です。
普段から心電図を目にする機会がある
心電図に触れる機会が多い部署で働いている
誰かに心電図を簡単に説明するぐらいの力が欲しい
上記のような人にオススメです。
2級
2級は現在公式HPでは
心電図の中等度〜高度な判読力を有するもの
一般循環器医、循環勤務ベテランメディカルプロフェッショナル
日本不整脈心電学会 公式HPより(2019年〜)
となっています。
こちらも過去の解説と見比べて見ると
心電図の中等度〜専門的な判読力を有するもの
一般循環器医
ベテラン循環器勤務ナース
生理機能検査技師
心電図を取り扱う医療従事者
日本不整脈心電学会 公式HPより(〜2018年)
となっています。
言葉の使い方が少し変わっただけで、基本的には集中治療室や循環器、心臓血管外科で普段働く中堅〜ベテランコメディカルが対象となっています。
私自身は2級を持っていますが、循環器疾患や心電図を普段見慣れない人や勉強をし始めた人には少しハードルが高い印象があります。
心電図検定3級と同等の知識量の問題が多い印象ではありますが、より読解力が求められ、知識だけでなく複雑な心電図を読み取る力が必要になります。
2級は「全体的な心電図の知識はあるが読解力を伸ばしたい人向け」です。
普段から心電図は見慣れており、読解力を伸ばしたい
どんな心電図を見てもわかるぐらい知識をつけたい
心電図を人にわかりやすく説明する力が欲しい
上記のような人にオススメの等級です。
1級
1級に関しても2級と同様、言葉の言い回しが変わっただけで基本的な階級説明は同じになります。
心電図の高度な判読力を有するもの
循環器専門医、心電図に深く精通したメディカルプロフェッショナル
日本不整脈心電学会 公式HPより(2019年〜)
過去の解説は
心電図の高度な専門的な判読力を有するもの
循環器専門医、心電図に精通したナース・生理機能検査技師・医療従事者
日本不整脈心電図学会 公式HPより(〜2018年)
となっています。
1級は心電図検定最上級の階級であり、何年も心電図に精通しており複雑な心電図も普段からある程度読み取れる人でなければ合格は難しいでしょう。
私自身も7年間、循環器内科・心臓血管外科の患者を看て、心電図も見てきましたが1級の問題は非常に高難易度です。
実際に1級を合格している人たちの話を聞くことがありましたが、多くは医師、臨床検査技師の方ばかりでした。
1級は「2級以上のさらに複雑な心電図を読解する力をつけたい人向け」です。
マイスター
マイスターは1級で合格した人のうち高得点者の上位10名が選出される特別な等級です。
この資格を取得できる人は全国でも自信を持って心電図ならなんでも聞いてと言えるレベルだと思います。
実際に私の勤務先の超ベテラン循環器医にマイスターレベルの人がいますが、知識と読解力が他の人に比べて圧倒的に違います。
ここが心電図に普段触れて仕事をする人の最終到達地点になります。
まずは自分を知るところから
色々等級の説明をしてきましたが、何よりまずは自分を知るところから始めましょう。
自分が普段どれくらい心電図に触れていてるのか
今後どれくらいの知識をつけたいのか
頭で考えるより、紙に書き出した方がより自分のイメージを具体化できます。
それを把握した上で上記の等級別に自分を当てはめてみて自分に合った等級を選ぶようにするといいです。
どの等級にしても勉強することには変わりないので、自分の力になることは間違いないので、あまり深く考えずに受けてみるのも大切だと思います。