心電図を勉強する際、多くの方は最初の段階で勉強する意欲がノックアウトされてしまうと思います。
12誘導心電図を見て、どこもかしこも同じような波形があって、どの誘導も少しずつ波形が違って、、、あっぁぁぁぁ!!!わからん!!
もう嫌になりますよね(笑)
なぜこのような現象が起きるのか。
それは
「心電図を波形で覚えようとするから」
に他なりません。
では具体的にどのように学んでいけば良いのでしょうか。
というわけで今回は
「波形ではなく特徴を理解することの重要性と理解へのポイント」
を解説します。
心電図を形で覚えるのはご法度
先ほども説明しましたが、心電図を勉強し始めてまずやりがちなことが
「心電図の波形をそのまま覚えようとすること」
です。
心電図は看護と一緒です。
患者さん一人ひとりによって同じ不整脈でも波形が異なります。
なんなら心電図の貼り方を少し変えるだけで波形も変わります。
個別性の塊です。
12誘導心電図というだけあって12も心電図があるのに、貼り方一つで波形が変わるだけでなく患者の心臓の状態によっても波形は変わります。
それをそのまま覚えようとしてしまうとわけがわからなくなってしまいますし、非常に効率が悪いです。
ではどうすればいいか。
「どうなればその不整脈と診断できるのか」
を理解することが大切になります。
つまりその不整脈の「特徴」を理解するということです。
・波形の形そのものを覚えるのはご法度
・不整脈の特徴を抑えること
不整脈にはそれぞれ特徴がある
不整脈にはもちろん各々の特徴があります。
その特徴を捉えて、診断となっていきます。
つまり 「不整脈の特徴」を理解できればどの患者の少し変わった形の不整脈でもしっかり理解できるようになります。
例えば「PVC」と「PVC2段脈」、「VT」という3つの不整脈があったとします。
PVCをどうやってPVCと診断するか、なぜその波形になっているのかが理解できれば、関連するPVCの2段脈、VTに関してももはや秒で覚えることができます。
特徴としては心室が何らかの理由で心房の伝達を無視して勝手に収縮した波形でワイドなQRSになります。
多くはPVCの間、脈が飛びます。(その一拍の間、血圧が出なくなります)
PVC2段脈は1拍目、2拍目は普通で3拍目にPVCが出る不整脈が連続すること。
ケンケンパの「パ」で毎回PVCがでる状態です。
VTはPVCが3連以上繋がった状態のことを言います。
PVCの特徴を覚えてしまえば文章だけでも2段脈、VTがある程度理解できると思います。
これらの3つの不整脈を波形で覚えようとすると
1つの不整脈を覚える時間✖︎3
の時間を食うことになります。
なんなら人によって形が違うため、さらに頭を混乱させて4倍、5倍の時間がかかる可能性もあります。
波形ではなく特徴を学ぶようにしましょう
今から心電図を学ぶ人へ
この記事を読んで特徴を理解すればいいんだ!と理解したものの何から始めていいやら、わからないということもあるかもしれません。
そんな人はまず「PQRSTの基本形」を覚えましょう。
心電図の基礎中の基礎です。
その次に自分が学ぼうとしている心電図の特徴に目をやりましょう。
ここで伝えたいことは
まずはPQRSTの基本である刺激伝導系を知ることです。
まず、そこをしっかり理解してから次に、
「波形の意味」
を理解しましょう。
波形の意味が理解できれば、どんな不整脈にも対応できるようになります。
波形の意味を理解して、そしてどんどんそこから派生させて学んでいくスタイルです。
一度流れができれば、するすると勉強も捗っていくと思いますよ。