突然ですが、心電図って普段どういう患者さんにつけられていると思いますか??
病棟や集中治療室に入院されている患者さんに心電図がつけられているということは、つまり
「急変や状態悪化のリスクがあるから」
なんですよね。
よく我々はモニタリングと言いますが、心電図は不整脈の精査だけでなく急変のアラートとしても非常に大切な役割を担ってくれています。
今回は心電図検定を受けて得た知識が現場の急変にしっかり役に立つということを解説する記事を書きたいと思います。
心電図検定で学べる知識
心電図検定ではそれこそ
「体に全く害を及ぼさない不整脈」
から
「致死性不整脈」
まで幅広い知識を問われる試験問題が出題されます。
なので心電図検定を受ける過程で、心室粗動(VT)・心室細動(VF)はもちろん心筋梗塞など緊急性のある不整脈の見方も勉強することになります。
それだけではなく、
「致死性不整脈に見えるけど実はそうでない不整脈」(VTに見えるAFやST上昇に見える同調律)
なんてものもあります。
怖いことですが、これは実際の現場でも大いにあり得ます。
こういった知識を身につけることで、いざ自分が判断しないといけない場面で迷うことがなくなるというのが心電図検定を通して学べる知識やメリットの1つでもあります。
実際の臨床で起こりえる急変
集中治療室でなく、一般病棟でも心電図でモニタリングされているという話は冒頭でしました。
これはつまり一般病棟でも致死性の不整脈やその他不整脈が起こりうることを示しています。
例えば、
STが上昇した、下降した
VT・VFがでた
脈が飛ぶ
などが挙がります。
VT、VFも知識があっても本当に理解していないとすぐに声を出して人を呼んだりすることは意外とできないものです。
ST上昇なんて尚更です。
STが上がってる下がってるという判断はあまりに顕著じゃないと、知識がない人では全く気づきもしないケースもあるからです。
急変した際に、
「ヤバイ」
とすぐに察知できる能力は現場で働く看護師にとって必ず必要になるものですが、その「ヤバイ」の度合いと緊急度、すぐに人を呼ばなければならないのか、ちょっと先生に相談ぐらいで大丈夫なものなのかを判断できることが大切です。
心電図の勉強をすればそういった判断力も身につけることができます。
急変前の予測もできる場合がある
先ほど急変時の話をしましたが、心電図に精通していると急変前の予兆も察知できるようになります。
例えば、
STが勤務開始時に比べて変化しているかも?
PVCがぱらつくようになったな・・・
ペースメーカーがうまく作動してなさそうな波形だな?
など、急変ではないですが、放っておくと急変するリスクのある不整脈やできるだけ早く医師の診察があったほうがいい不整脈などがあります。
私も現場で何度も「おかしいかも?」という気づきに救われたことがありました。
心電図はただ不整脈を読解するだけでなく、急変時や急変の予兆も捉えることができる画期的なものです。
急変に怯える必要はない
ここまで話して心電図に精通することで急変やその予兆を察知できることが理解できたかと思います。
急変時は焦ってしまい既存の知識もぶっ飛んでしまうことも多々ありますが、知識がもともとない人は冷静でも焦っていても結局何もできません。
知識があれば、自分が予想していないところで意外な力を発揮することがあります。
心電図検定を受けることで、そういった急変やその予兆の不整脈も学ぶことができるので、ぜひ心電図を勉強する機会に受けてみてはいかがですか?
公式HPのリンクはこちら!
心電図検定 – 日本不整脈心電学会