この記事を見に来てくださり、ありがとうございます。
「呼吸療法認定士」という資格を皆様はご存知でしょうか??
私は2018年度の3学会合同呼吸療法認定士の認定試験で合格しました。
今回は呼吸療法認定しを受けようと考えている看護師に向けて、呼吸療法認定士の
✔︎概要
✔︎申し込み方法
✔︎かかる費用
✔︎講習会
✔︎勉強方法
などについて紹介していきます。
呼吸療法認定士とは
呼吸療法認定士とは
3学会(日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会)から選出された委員により構成されている「3学会合同呼吸療法認定士認定委員会」が受講資格を有すると判定した者のうち、同委員会が実施する認定講習会の課程を履修したのち、同委員会が施行する認定試験において一定の合格基準に達した者に与えられるもの
3学会合同呼吸療法認定士公式HPより
とされています。
学べる内容は呼吸に特化しており
✔︎呼吸関連の歴史
✔︎解剖生理
✔︎血液ガス
✔︎呼吸機能や検査
✔︎病態や薬物
✔︎リハビリテーション
✔︎吸入・酸素療法
✔︎人工呼吸器・医療ガス
✔︎術後の肺合併症
✔︎小児の呼吸管理
✔︎人工呼吸中のモニタリングと全身管理
✔︎集中治療
✔︎在宅人工呼吸
など、広く学ぶことができる資格となっています。
3学会合同呼吸療法認定士は公式の認定資格ではありますが、あくまで認定の資格であることに注意しなければなりません。
看護師の業務拡大や業務独占・名称独占などには関係がなく、個々の業務範囲が拡大するわけではありません。
本格的な資格だけあって、学べる内容も深く、試験を通じて各々の職場で看護や治療に生きるケアができるようになることは間違いなので、是非興味がある方は受けてみてもらいたいと思います。
3学会合同呼吸療法認定士の公式HP
https://www.jaame.or.jp/koushuu/kokyu/k_index.html
難易度
気になる難易度ですが、例年合格率は55%〜65%ぐらいと言われています。
一般的に働きながら勉強しなければならない環境の人が多いため、勉強する時間が取れずに試験を受けて不合格になる人もいると思います。
しかし私が実際に試験を受けて感じた感想は
「思った以上に難易度が高い」
ということでした。
私は集中治療室に新卒で働き始めてから7年になりますが、臨床の経験や学んだ知識だけで合格するのは無理だなと感じました。
呼吸療法認定士を受けるに当たって、公式のテキストを買うことになるのですが、
上のような写真の内容が500ページ分ぐらいある辞書のような参考書を渡されます。
知らない内容な苦手な分野も含め、しっかり勉強しないと合格へはたどり着けません。
逆にしっかりと勉強すれば、経験年数が浅くてもちゃんと合格できます。
ちなみにテキストが届いてから試験を受けるまで4ヶ月ほどの時間があります。
また、試験を受けるために公式のテキストを用いた講習会が丸2日かけて行われますので、そこで全体像の勉強をすることができます。
私は講習会を受けてから1ヶ月ちょっとは全く勉強せず放置していまして、試験の2ヶ月前ごろから少しずつ勉強をするようになりました。
休みの日は休みたい人なので、仕事終わりの1〜2時間を勉強の時間に当てて、参考書を読み漁ってできるだけ毎日勉強するようにしていました。
それでもテキストの内容を全て勉強し終わったのは試験間近だったので、不安な方は講習会が終わった時点で少しずつ勉強を始めておいたほうが良いと思われます。
申し込み方法
この呼吸療法認定士の第一の壁とも言われるのが申し込みです。
講習会受講資格
資格要件1
臨床工学技士 2年以上
看護師 2年以上
准看護師 3年以上
理学療法士 2年以上
作業療法士 2年以上
受講資格に臨床経験が含まれます。
ここで注意して頂きたいのは、「免許証を取得してから」●●年以上ということです。
看護師であれば一般的に正式な資格として免許を受けるのは新卒の年の5月前後になる人が多いと思います。
しかし呼吸療法認定士試験の申し込み期限は4月の初旬までです。
つまり3年目になった看護師が
「よし!臨床経験もギリギリ2年になったし受けよう!」
と思っても、正式には看護師3年目の5月頃までは臨床経験2年以上として認められないのです。
なので、看護師経験4年目の方から受けることが出来るようになる人が多いと思います。
臨床経験は免許証を交付された日付から2年以上必要
資格要件2
「申請書類提出日から過去5年以内に、認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上を取得している者」となっています。
申し込みをする前に、 認定委員会が認める学会や講習会に参加して点数を稼ぐ必要があります。
講習会を半日出席するだけで12.5点は取れるので、申し込みをしたいと思う方は、早めに点数を取っておきましょう。
下記の公式HPから学会や講習会がいつやっているのかなど確認できます。
3学会合同呼吸療法認定士の公式HP
https://www.jaame.or.jp/koushuu/kokyu/k_index.html
申し込みのダウンロードも期限付き
認定資格の申し込み用紙は公式HPからダウンロードする形になります。
が、ダウンロードできる日数にも期限がついております。
例年通りであれば、ダウンロードできる期間は3月1日から3月末までになります。
この期間中にダウンロードできなければ、来年に持ち越しになりますのでご注意ください。
またダウンロード期間は公式HPから必ず確認するようにお願いします。
申し込み資料のダウンロードは3月中のみ!
申し込みは先着順
呼吸療法認定士の申し込みにおいて一番厄介なのが、実際に申し込みをするときです。
申し込みは先着順になっています。
しかし人気の資格であり、応募が殺到するために、申し込みが開始になった日の当日にはもう定員オーバーになり、遅い場合は申し込みを受け付けてもらえません。
申し込み方法は
「受け付け開始日の8時以降に郵便局にて書類を持っていき、特定記録郵便で郵送する」
のみです。
郵便局員が受け付けてくれた時間が申し込みの時間となり、先着の鍵を握ります。
噂によると1時間や2時間で定員オーバーになるということなので、郵便局が開く前から並んで、8時ぴったりに書類を提出できるようにした方がいいです。
私も都内で7時45分頃に郵便局に行きましたが、すでに並んで待っている人がたくさんいて、かなり焦りました。
また最寄りの郵便局が特定記録郵便を受け付けているのかどうかも確認しておく必要があります。
場所によってはできないところもありますので、確認は必須です。
特定記録郵便に関しては、郵便局員さんに
「特定記録郵便でお願いします」
と渡すだけで大丈夫です。
また当日提出できるように自身の勤務調整をしましょう。
自身が行けない場合は、信頼できる仲間にお願いしましょう。
✔︎最寄りの郵便局で特定記録郵便を取り扱っているか確認
✔︎申し込み開始日の8時には提出できるように(混雑する可能性も考慮しよう)
かかる費用
呼吸療法認定士の資格を手に入れるまでに意外と費用がかかります。
受験費用に、講習会費用だけでなく講習会は都内で2日丸々費やすため、遠方から試験を受けに来る方は交通費と宿泊費も必要になります。
講習会は夏で試験は冬にあり、試験の日も遠方から来る方は交通費と宿泊費が必要になります。
✔︎特定記録郵便 約300円
✔︎受験費 10,000円
✔︎認定講習会参加費 20,000円
✔︎認定講習会会場への交通費や宿泊費(必要な方)
✔︎試験会場への交通費や宿泊費(必要な方)
✔︎試験合格後も認定登録料として3,000円
都内で交通費や宿泊費がかからない人でも純粋に約33,000円かかります。
遠方からいらっしゃる方は宿泊費や交通費も含めれば、約100,000円前後はかかると思います。
費用はかなりかかりますが、それでも受けに来ようと人が殺到する資格でありますし、実際に勉強になるので、前向きに考えていただきたいと思います。
呼吸療法認定講習会について
呼吸療法認定士の試験は11月にありますが、その前の8月に都内で丸2日かけて講習会が開催されます。
申し込みが受理されると事前に分厚い公式テキストが届きますので、それを用いて講習会を受ける形になります。
講師陣がテキストに乗っ取って解説し、受講生は一言も漏らさないようにテキストにメモを書き加えて行くといった感じでした。
会場はとてもなく広く、前方の巨大なスクリーンに資料が投影されて説明を受ける形です。
会場は暑過ぎず、寒過ぎず、講師の声もマイクでよく聞こえます。
問題は昼食です。
都内のお昼時は一般のサラリーマンですでに溢れている中で数千人の受講生が一斉にお昼を求めるともうパニックです。
お昼休憩は1時間ほどもらえますが、お弁当やコンビニ食で済ませるのが無難です。
講習会で講師が強調した内容はもちろん重要ですが、あっさりスルーした内容も試験に出たりするので、
「講師が全く説明しなかったところは勉強しない」
というスタンスはとても危険です。
油断せずに行きましょう。
✔︎講習会会場にはお昼ご飯は持参した方がいい
✔︎講師が強調する内容は必ず押えておこう
✔︎講師がスルーした内容も試験には出るので要注意
試験について
試験は11月に行われます。
午前午後の1日かけての試験になりますので、体調管理はしっかりしておきましょう。
また当日は混雑しますので、時間に余裕を持って行動することをお勧めします。
試験内容はマークシート形式で、「5択から1つ選ぶパターン」のみです。
誤っているものを選ぶ問題と、正しいものを選ぶ問題をしっかりと確認することを忘れないようにしましょう。
試験問題は午前70問、午後70問の合計140問で、試験時間は2時間です。
時間には比較的余裕がありますので、しっかり見直しする時間もあります。
試験が早く終わった人は、途中退出もできるようになります。
試験結果はクリスマス前後に郵送にて送られてきます。
勉強方法
私が実践した勉強方法にお伝えします。
まず使用した参考書は2冊のみです。
詳細は次の見出しのオススメの参考書で紹介します。
私が勉強を始めたのは講習会を受けて1ヶ月以上経ってからでした。
公式テキストはあまりにも量が多く感じてしまったので、問題集を解いて、その問題に合う部分を公式テキストで確認するという作業を繰り返しました。
私は講習会は真面目に聴講しておりましたし、メモもそれなりにとっていましたが、問題集の問題をほぼ間違えてしまうような状態でした。
今出版されている問題集がどこのものも公式テキストに沿って作成されているものが多いため、テキストと問題集を並行していく勉強スタイルが一番頭に入りやすいです。
単元ごとにまとめて問題集を答案し、答え合わせをして、単元ごとに公式テキストで詳細を確認するという作業を繰り返しました。
一通り問題集を解き始めると、自分がやたら間違える単元と正解率が高い単元がなんとなくわかるようになります。
私は得意分野を間違えたくないからと得意分野にも力を入れて勉強していました。
今振り返ると、得意分野はある程度応用が利いた問題が出ても正解できる可能性が高いので、得意分野より苦手な分野を徹底的に底上げした方が、より安定して合格へ近づけたのではないかと思いました。
苦手で意味がわからないと思っていても、繰り返していくうちに不思議と覚えていきますし、理解が深まっていきます。
また時間がない方は、「ある程度勉強しても理解できない内容」に関しては捨てて、理解できる部分だけどんどん勉強を進めていくのがオススメです。
わからない問題にいつまでも時間を費やすより、わかる問題でどんどん点数を稼いだ方がいいです。
おそらく理解できない項目は普段職場でも全く使わないものばかりだと思いますし、現物も見ずに、テキストだけで医療の内容を理解するのは難しい場合が多いので、そういったものは現場で出会ったら勉強するスタンスでいいと思います。
また公式(難しい式)も試験には出ます。
ただ、logの計算など、ややこしいものは出てきません。
公式に当てはめれば簡単に答えが出るものばかりなので、とりあえず公式はある程度覚えてしまいましょう。
あとはひたすら問題を解いて、公式テキストで復習するの繰り返しを行えば必ず合格できます。
✔︎問題集を解き⇨公式テキストで確認
✔︎正解した部分も間違った部分も確認し、答えを覚えるのではなく理解する
✔︎計算等の公式は丸覚えした方が良い(試験に出る)
✔︎勉強しても理解できない内容は思い切って諦める
オススメの参考書
呼吸療法認定士の試験を受けるに当たって私が使用した参考書の紹介とその他参考書についてお伝えします。
まず、皆がまず買うであろう青本(過去問題集)を私は買わず一切目も通していませんが、試験自体は特に問題ありませんでした。
が、青本があればもう少し楽になった感は否めないので、買っておけばよかったなと思っています。
ただ青本は問題数は多いが、解説が少ないとの声が多数寄せられており、青本一本で攻めるのはやはり危ないかなと思います。
私が使った参考書は
【呼吸療法認定士“合格チャレンジ”100日ドリル 毎日使えて基礎が身につく!】
こちらは日数が設定されており、試験までのどういったペース配分で勉強していくかの目安が作り易く、そういった意味でも使い勝手の良い本でした。
また問題も独自のものではありましたが、試験内容に類似したものが多く、非常に勉強になります。
【呼吸療法認定士試験対策 たしかめドリル 攻略2018!】
こちらも大いに参考にさせてもらった本です。
解説等も公式テキストにのっとっているので、公式テキストとの併用にはうってつけでした。
他にも試験後に見た参考書でオススメなのが
【呼吸療法認定士試験対策合格への厳選ポイント実況中継増強版!1日で読めるセミナーブック】
理解を深めるには良い本ですので是非参考にして見て下さい。
紹介している参考書もそうですが、どの参考書を選んでも内容に大きく大差はないと感じております。
実は私が使用した参考書は提示しているものではなく提示している参考書の1年古いものでしたが、なんら問題ありませんでした。
要は参考書を用いていかに公式テキストを上手く利用できるかだと思うので、参考書も含め、公式テキストを汚しまくれば合格はできます。
以上になりますが、参考になりましたでしょうか??来年度もより多くの方が呼吸療法認定を受け、現場で活躍されることをお祈りしております。
看護師の転職にお悩みの方は下記記事を参考にしてください。
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。