看護師

臨床で使える・役に立つ【全身清拭・陰部洗浄・寝衣交換】の方法と看護

はちみつ
はちみつ
こんにちは!はちみつです!

今回は臨床で行なっている全身清拭陰部洗浄寝衣交換の技術と知識についてお伝えします。

なぜ、全身清拭、陰部洗浄、寝衣交換を一緒にまとめているかと言うと、それぞれ単体で行うことよりもまとめて行うことの方が多いからです。

はちみつ
はちみつ
入院患者で自身でシャワーを浴びたりできない人が少なからずいるし、絶対に経験するケアでもあるので、復習していきましょう。

寝衣交換

どのような患者に行うのか

看護師が寝衣交換をする患者の特徴として

✔︎意識レベルの低下、せん妄、バイタルサインが不安定、臥床安静の必要性がある等の理由で、自分で着替えることができない
✔︎点滴や医療機器が接続されている
✔︎患者自身で着替えるとライン類の抜去に繋がる可能性がある

などの場合に看護師が介助し寝衣交換をします。

寝衣交換を単体でする場合は、排泄物で寝衣が汚れてしまった場合も多いです。

目的

寝衣を清潔に保ち、爽快感を得るためです。

準備物品

✔︎新しい寝衣
✔︎必要時バスタオル(保温やプライバシーの保護に使用)

手順

1.室温を調整(できる場合)し、カーテンを閉める等のプライバシーの保護を行う。

はちみつ
はちみつ
忙しくてバタついている時は特におろそかになりやすいため注意が必要だよ!
ウサギさん
ウサギさん
保温もしっかりとしてほしいな!
カエルさん
カエルさん
働いている人は暑かったりするけど、患者さんは寒いと感じる人も多いもんね

2.患者の健側側に立ち反対側の袖を脱がせる。新しい寝衣の袖に腕を通し、半分着せる。

袖を脱がす時は、服を肩が露出するぐらいまで下げてからするとスムーズになります。

はちみつ
はちみつ
点滴がある人や麻痺がある人は、点滴がないor健側から袖を脱がせることが重要だよ!
ウサギさん
ウサギさん
臨床では、両側麻痺や、右に点滴、左は麻痺なんてこともあるけど、その時は患者さんの負担が少ない方から脱がせて、負担が大きい方から着せるようにすれば基本は大丈夫!

また点滴がつながっている場合は、できるだけ点滴のラインは外さずに袖を通して寝衣の着脱をするようにしましょう。

はちみつ
はちみつ
ラインをむやみに外したりつけたりするのは感染のリスクになるからね!
カエルさん
カエルさん
あとは点滴を袖に通したりする場合はクレンメを必ず閉じてからすることが重要だよ。
ウサギさん
ウサギさん
点滴を落としながら、点滴ボトルをアップダウンさせると滴下速度が大きく変わってしまうからね。
はちみつ
はちみつ
血液が逆流することもあるからそのためにも、クレンメを閉じることは重要だよ。

✔︎基本は健側から脱がせて、患側から着せる
✔︎両側麻痺や、両側に点滴や麻痺がある場合は患者の負担の大きい方から脱がし、少ない方から着せるとベスト
✔︎点滴類はできるだけ袖の中を通して衣類の着脱を行う。その場合、点滴のクレンメは一度閉じること

3.患者を手前に向けて側臥位にする。ベッドから転落しないように、ベッド柵をあげるか自分の体でしっかり支える。

患者を側臥位にする場合、重症呼吸器疾患や、肺合併症がある人だと患側肺が下になる方の側臥位にするとバイタルサインに影響することがあるので、できるだけ健側の肺の方から側臥位にするようにしましょう。

はちみつ
はちみつ
新しい寝衣を着せて、シーツ類も変えようと用意している間、患者はずっと側臥位になっていなければならないため、負担が増えるんだよ。

✔︎側臥位にする時、呼吸器疾患や肺合併症がある人は、健側の肺の方から側臥位にする

4.汚れた寝衣を腕の下に押し入れるとともに、新しい寝衣の背中心を患者の背中の中心に合わせる。

5.患者を仰臥位から反対側の側臥位へ向かせる。

はちみつ
はちみつ
この時患者に「背中に寝衣の山ができること」を伝えると親切だよ。また、腰の位置を変えずに丸太のように側臥位になってもらうことを説明するとさらに寝衣交換がスムーズになるよ。

6.側臥位になれたら、汚れた寝衣を脱がせ、新しい寝衣の袖に腕を通しシワを伸ばす。

新しい寝衣に袖を通す場合、肘をできるだけ肩と並行するぐらいまで上に上げてもらうとスムーズに袖が通ります。

カエルさん
カエルさん
スーツを着るようなイメージかな!

✔︎袖を通す際は患者の肘を肩まで上げるイメージで持ち上げてもらう

7.必要時、反対側に回り、再度シワを伸ばす。

8.掛物を元どおりに掛け、汚れた寝衣を規定通りに片付ける。

9.点滴等ライン類や周辺環境の安全確認を行う。

全身清拭

どのような患者に行うのか

✔︎臥床に伴い、患者自身で清潔ケアが行えない
✔︎点滴や医療機器が接続されており、シャワー等を浴びることができない

目的

1.皮膚の清潔を保つ
2.血液循環を刺激し新陳代謝を促進させる
3.(補足的に)全身の皮膚状態の観察

はちみつ
はちみつ
清拭をすることで、新しく皮膚トラブルを発見したりする機会は非常に多いので、清拭は毎日するべきと思うぐらい観察にもってこいです。
ウサギさん
ウサギさん
直接体に触れるため経験上、清拭をすることで「薬疹・皮疹」「褥瘡」「表皮剥離」「スキンテア」「皮下気腫(術後やドレーン関連にて)」などを見つけることがあります。
カエルさん
カエルさん
清拭をすることでそういった状態を早期に発見できたりするんだ!

準備物品

✔︎洗面器、ベースン
✔︎石鹸
✔︎綿毛布(保温用)
✔︎バスタオル
✔︎タオル3枚
✔︎スポンジ(必要時)
✔︎新しい寝衣
✔︎新しい下着

お湯の温度は看護師が手をつけられる最大限の熱さで患者さんには丁度いいぐらいになる(50度前後)

手順

1.患者に説明する。

2.実施前準備として、室温調整、ベッドの高さ調整、プライバシーの保護に努める。

はちみつ
はちみつ
保温やプライバシーの保護はどのケアにおいてもまず、優先して考えれるようにしよう。
ウサギさん
ウサギさん
体位交換が必要になるため、基本的には仰臥位で行うことが多いけど、患者さんの疾患に合わせて少しベッドの角度を上げたりして行うこともあるよ。
カエルさん
カエルさん
頭を下げることで呼吸苦が出たり、痛みを訴える患者もいるってことだね。

3.患者の寝衣を脱がせ、上半身を露出する。

はちみつ
はちみつ
寝衣の着脱は寝衣交換の項目を参照してね!

4.湯を絞ったタオルで患者の体を蒸す。

5.石鹸で拭く。

ウサギさん
ウサギさん
石鹸で拭く際、四肢は末梢から中枢にかけて拭き、背部は背側から臀部にかけて拭きましょう!

6.すすいだタオルで2回石鹸を拭き取る。

はちみつ
はちみつ
石鹸で拭いてからタオルで石鹸を拭き取る動作に時間がかかると、患者さんの体から熱が放散されてかなり寒い思いをさせてしまうので、手早くできるとベストだよ!

7.水分をバスタオルで拭き取る。

カエルさん
カエルさん
水分を体に残さないというのが大切だね!保温だ!

8.患者の体位を整える。

9.掛物をかける。

✔︎四肢を拭く際は、末梢から中心にかけて拭く
✔︎背部は背側から臀部にかけて拭く
✔︎石鹸をつけてから拭き取るまでが特に患者の体温が下がりやすいため、迅速に行うまたはしっかり保温する

陰部洗浄

どのような患者に行うのか

膀胱留置カテーテル挿入中の患者や安静臥床のため排便のケアができない患者に行います。

目的

外陰部を清潔にし、患者の気分を爽やかにする。また二次感染の機会を防ぐ

はちみつ
はちみつ
膀胱留置カテーテル挿入中の患者はカテーテル感染率が非常に高いため、しっかりケアできるようにしよう。
ウサギさん
ウサギさん
排泄物が尿道付近を汚染するのも感染の原因の一つだよね。

また陰部は空気の通りが悪く蒸れやすいため、真菌(カビ)が発生したり、皮膚トラブルを起こしやすいため、念入りに観察もする。

✔︎膀胱留置カテーテル挿入患者は最低1日1回は陰部洗浄を行う
✔︎陰部周辺に真菌(カビ)や皮膚トラブルがないか観察しよう

準備物品

✔︎便器または紙おむつ
✔︎陰部洗浄用ボトルまたは50mlシリンジ
✔︎石鹸
✔︎バスタオル
✔︎陰部様タオル
✔︎ガーゼ
✔︎防水シーツ(必要時)

手順

1.環境を整える。等にプライバシーに配慮する。

2.陰部洗浄用ボトルに38度程度のお湯を用意する。

3.バスタオルを患者の体にかけ、寝衣・下着を取る。

4.患者の膝を立て、便器またはオムツを腰の下まで挿入する。

はちみつ
はちみつ
膝が曲げられない場合は、足を外側に開くようにするといいよ!

5.ガーゼを湿らせ、石鹸をつける。

6.陰部様タオルをお湯で絞り、患者の恥骨上に半円を描くようにタオルを置く。

ウサギさん
ウサギさん
陰部周辺を濡らさないためだね。

7.陰部を洗浄する。
1)男性の場合:陰嚢・ペニスのひだを丁寧に伸ばし洗う
2)女性の婆愛:大陰唇を開き、陰核から肛門に向かって洗う

はちみつ
はちみつ
この時肛門から陰部にかけて洗うと、性器や尿道への汚染に繋がるため注意が必要だよ。

陰部を拭く際は、肛門から陰部にかけて拭かず、陰部から肛門にかけて拭くこと。

8.陰部洗浄様ボトルのお湯で石鹸分を洗い流す。

9.陰部様タオルで水分を拭き取る。

10.患者に腰を上げてもらい(出来ない場合は側臥位にし)便器またはオムツを外し、臀部の水分を拭き取る。

11.患者の寝衣・体位を整える。

はちみつ
はちみつ
仙骨部は褥瘡好発部位でもあり、さらに頻回に下痢をする患者は陰部周辺の皮膚トラブルが起きやすいため、陰部洗浄のケアで皮膚に問題がないか観察することも重要だよ。
ウサギさん
ウサギさん
下痢が数日続いている人などは皮膚トラブルは必発だから念入りに確認しよう!

あとは、たまに「膀胱留置カテーテルを挿入していて、尿が出なくて色々薬剤をしようしたら、実は尿漏れしていた」なんてことも起こります。

陰部洗浄の際は尿漏れ等もないか確認できるようにしましょう。

✔︎石鹸を用いた陰部洗浄は一日1回程度にするのがベスト(肌のバリア機能が失われ、皮膚トラブルの原因になります。)
✔︎長期臥床の患者は特に背部や臀部に皮膚トラブルや褥瘡を作りやすいため、念入りに観察する。
✔︎膀胱留置カテーテル挿入患者は尿漏れの有無も確認する

以上になりますが、少しでも参考になりますでしょうか??

患者や施設によって、方法等は変わるため上記の方法も、看護手技の1つとして認識していただければ幸いです。

はちみつ
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