新人看護師の多くは社会経験も1年目です。
年々看護師は増えてきており、男性看護師も増加傾向にあります。
男性看護師に関して、増えてきているとは言え、まだまだ看護の世界は女性社会です。
今回はそんな女性社会の現場で新人看護師が上手くやっていくための方法について、様々な経験をした私の立場からお伝えしたいと思います。
何を隠そう私も新人時代にボコボコにされ、いじめられ、血ヘドを吐きながら戦場を渡り歩いて来た一人です。
私も中堅と言われる世代になりましたが、今でも毎日大変な仕事だと思いながら働いています。
でも新人の時の辛さに比べればなんてことありません。
後から振り返ると、
「あの時余裕がなさすぎてひどい勤務態度だっただろうな。」
とか
「もっと自分のこと大切にできたよな。」
「こんな風な考え方や対応ができていれば楽だったのに。」
なんて思います。
今この記事を読んでいる方、そんな辛い状況ではないですか?
今日はそんな人々のために、少しでも新人時代に現場でうまくやっていく方法をお伝えします。
挨拶をする
職場について、皆と顔を合わせたら
「おはようございます!」
「今日もよろしくお願いします!」
仕事の途中や帰る際も、
「ありがとうございます!」
「お疲れ様でした!」
等々の挨拶を確実にできるようにしましょう。
私の職場にも、毎朝元気よく挨拶をしてくれる先輩看護師がいますが、本当に気持ちがよく、皆からも好印象です。
つられてみんな挨拶するようになって、集中治療室ではありますが、職場の雰囲気もいつも和んでます。
逆にきちんと挨拶ができない新人は、後々辛い状態に追い込まれていきます。
落ち込んでいる時もとりあえず挨拶は元気にしておきましょう。
たまに挨拶をしても、無視する先輩もいるかと思います。
今日は機嫌でも悪いのかなと軽く流す程度で気にすることはありません。
実際にそういう人はいつもそういうスタンスで、無視した本人も全然気にしていないパターンも結構あります。
また、挨拶をして
「あの子は挨拶してきてうるさい」
など思うような人間は、そうそういるものではありませんし、そういった人間はのちのち淘汰されていきます。
気にせず、どんどん挨拶をしていきましょう。
挨拶を通してコミュニケーションが生まれて、早く職場に慣れていっている後輩たちもたくさん見てます。
見てくれている人はちゃんと見てくれていますよ。
できない自分を責めない
新人時代の私が最も感じていたことは
できないこと
でした。
今でも大多数の新人看護師は、これで苦しんでいるでしょう。
看護師の仕事内容は多岐に渡ります。
「今日は暇で何にもしなくても一日終わって楽だった〜」
なんて日はほぼないでしょう。
たくさんの多重課題に追われ、責任に押しつぶされそうになり、先輩には怒られ、休憩もあまり取れない。
なんてことはざらにあります。
そんな中で新人看護師はできない自分を責めます。
立ち止まって考えてみましょう。
本当に皆が淡々とこなしていける仕事なのでしょうか??
今なら新人だった頃の自分にこう言いたいです。
それこそ当たり前な考えだと思うんですが、どうしても実際に働いている新人としてはそう思えないものです。
どうしてもできないことを辛いと感じたり、自分の成長を感じれない時は、1ヶ月前、3ヶ月前の自分と比べてみてください。
そのころに比べてできることが圧倒的に増えていることに気づくと思います。
先輩看護師は新人の辛さをみんな経験しています。
またこの辛さを作り出してしまのは今の日本社会の看護師教育に原因があると私は思っています。
私が新人看護師時代に思っていたことは、
「学校で学んだ内容が現場に全く生きない」
ということでした。
このギャップから、「こんなに勉強してきたのにできない自分」も作り出してしまったりすのではないかと思います。
現場の先輩看護師も同じような経験をしてきています。
自分が思っている以上に気持ちは理解されていると思うので、あまり自分を責めすぎず、前向きに仕事に取り組んで欲しいと思います。
目立ちすぎない
経験上、目立つ方は標的にされやすいです。
上手く仕事ができるという意味で目立つ分には、特に問題ありません。
しかし、新人看護師として現場で働く上でミスはつきものです。
目立つ人は良いことも、悪いことも目立ちます。
悪いことが2回、3回とたまたま続いてしまうだけで、他者と比べられたり、必要以上の叱咤を受けることも多くなりマークされるようになると思います。
目立ったり、特定の人物のことが気にかかると、先輩看護師はその人の必要以上のことが目に入って、色々言いたくなってしまうものです。
職場になじんで、同僚や先輩ともコミュニケーションがうまく取れるようになるまでは、1つ1つ着実にこなしていけるようにしましょう。
職場に馴染めは自分の意見もどんどん出していけるようになります。
何はともあれ1年間頑張ろう
新人看護師が本当に辛いのは最初の1年がピークです。
私も1年間、一度足りとも力を緩めず怒られ続けました。
怒られすぎて、イジメに近い状況にもなっていました。
でもそれも1年後には、ほとんどなくなりました。
大きな理由は、次の新人が来たからだと思います。
その後自分で感じたことがありました。
つまり、怒られ続ける人は、「この人はできない人」ってレッテルを貼られ、先輩は些細なことが目について、普段なら言わないことを思わず言ってしまう状態になるんです。
実際にはあなたが特別にできないわけではなく、できないと怒られるのが新人というものです。
次の新人が来ると必然的に目は逸れていきます。
そう言った新人の多くは先輩の目が離れたと同時に仕事ができるように成長していきます。
1年間仕事を続けるだけで人は見違えるほど多くのことを吸収して成長します。
まずは諦めずに1年間仕事を続けてみましょう。
誠実になる
新人看護師はいつも教わる側です。
先輩もいろんなことを伝えたいと思っていますが、多くの先輩方は我慢ができないです。
新人がやっている事に時間がかかっているのを見て、思わず口を出してしまう。
新人がやろうと思っていたところなのに、先輩はいつやるのだろうと思って、
「~はいつやるの?まだ~やってないの?」
と言われてしまうこともあると思います。
また教える方もいろいろストレスを感じているために、たまに当たりがきつくなることもあると思います。
ただ、どんな状態であっても、決して「ふてくされず」、誠実に言われたことを聞きましょう。
反抗してしまったり、イライラしたことを態度にだすことは絶対にしてはいけません。
新人看護師の知識や経験のベースと先輩看護師の知識や経験のベースには圧倒的な差があります。
新人がなんで?って思うことも先輩はちゃんと意図して伝えていることが多いです。
自分の考えが正しいと思わず、言われたことは一度自分の中に落とし込んでから発言するようにしましょう。
中には人間を否定するような言い方をしてきたり、明らかにおかしなことを言っている先輩、機嫌が悪くてあたってくる先輩もいると思います。
そんなときは
「社会人にもなって、そんな対応しかできないかわいそうな人だな」
と思って気にせず行きましょう。
新人は悔しい思いも山ほど経験しますが、誠実に過ごしてきた人は必ず報われます。
調べてもわからないことは質問しよう
調べても分からないことは、先輩にどんどん質問しましょう。
「現場ですぐにやらないといけないことがあるのに分からない」
なんて時は先輩にたくさん質問して問題ないと思います。
ただ、突発的な出来事であったり、事前に予習しておくことができない場合です。
たまにならいいですが、毎回聞いて来る新人には、
「この子は自分で勉強してこないのかな?」
と思われてしまいます。
逆に、大丈夫?と聞かれて「大丈夫です!」と言って頑張ってしまう新人もいますが、分からないまま、曖昧なまま物事を進めるのは医療の現場ではナンセンスです。
人は頼られると嬉しい生き物です。
先輩たちは自分に質問に来る後輩を可愛いもんだと思います。
実体験ですが、私の職場にめちゃくちゃ怖い先輩がいました。
怖すぎて新人は誰も近寄りません。そのためか向こうから新人に近寄っては質問して来て、分からないと答えると怒ると言うパターンを繰り返してました。
新人はなお距離をあけます。
しかしある時、私は自分からその怖い先輩に質問しにいきました。
すると、全然怒らず丁寧に質問の内容に答えてくれました。
もちろんたくさん質問され考えさせられましたが、怒られはしませんでした。
この例からも人は頼られると優しくなります。
自分から質問する勇気と癖とつけていきましょう。
今はネットが非常に便利な時代なので、ファイル共有アプリを使って、新人同士で勉強した内容や怒られた内容を資料や文章にして共有することで、お互いの時間を削減することもできます。
出来ないことを気にしない
最初から何でもできるスーパーナースはいません。
みんな、トライ&エラーで改善したり、経験を増やしてどんどん仕事ができるようになります。
できないと言われることも多々あるかと思います。
周囲の同僚などと比較されることもあるかと思います。
同僚の中で断トツ仕事ができなくて、断トツ怒られ続けて、凹みに凹んだ私でさえも、7年目となった今では、責任のある仕事を任され、成長したねと言われながら働いています。
成長の速度は個人差があります。
最初はそれが目に付くかもしれませんが、2年3年と経験を重ねると、結局どの看護師も一定の水準まで仕事がこなせるようになります。
実際に、5年目と6年目の看護師に圧倒的な知識の差や圧倒的な仕事能力の差がある感じますか??
焦らず、着実に成長していきましょう。
それでもできないと落ち込む方は1か月前の自分と比較しましょう。
些細なことでもできる仕事は確実に増えています。
信頼を得よう
私は新人時代、いかに怒られないように仕事をこなし、いかに早く多くのことを覚えるかを重要視していました。
しかし実際は違いました。
大切なことは怒られないことではなく、先輩看護師の信頼を獲得していくことです。
先輩の信頼を得るとどうなるのでしょう??
人間関係が良くなり、理不尽な怒られ方もしなくなり、仕事もスムーズに進むようになります。
分からないことも聞きやすいし、任されていると言う気持ちが人を前向きにさせます。
どうすれば信頼関係を得られるかと言いますと、
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)がしっかり出来ること
だと思います。
各々の先輩と外で飲みに言ったり仲良くなってコミュニケーションをとるのも大切ですが、仕事の中で、ホウレンソウしながら、できる仕事を1つ1つ確実に増やしていくことが、何よりも信頼関係に繋がります。
ホウレンソウができる後輩を見た先輩は
「この子はわからないこと、疑問に思ったこと、初めてやることはちゃんと報告してくれるし任せておいて大丈夫だな。」
と思うようになります。
そうなると比較的仕事がマイペースにできるようになりますし、ホウレンソウがしっかりできる人は、危機管理能力も身についていきます。
配属された部署が全てではない
番外編に近いですが、大切なことなので記載します。
自分が配属された部署に必ずなじまないといけないわけではありません。
人ですので、どうしても合わなかったり、辛くて体と心が持たないなんてことがあるかと思います。
新人看護師として働くと言うことは、多くの人はこれから先何十年と看護師を続けていく可能性があると言うことです。
トラウマになったり、体を壊してします、心が病んでしまうなど働けない状態になってしまうぐらいなら、我慢せず、新しい職場や部署を探すのもありです。
全国には数え切れない程の病院があります。
幸い、看護師は職場を選べるぐらい人手不足なので、どこでも働きたい場所で働くことができます。
なので、全国には自分にあった病院や職場が必ず存在します。
ある程度の辛さは絶対に経験しますが、心と体が持たないなら次を探しましょう!
下記に私のオススメ記事を紹介しますので、是非読んでみて下さい。
以上になりますが、参考になりましたでしょうか?