集中治療室に対するイメージは多種多様だと思います。
今回は実際に集中治療室で働いている現役看護師の私が集中治療室のメリットについてまとめます。
緊急の処置・急変時対応に強くなれる
集中治療室では緊急の処置や急変時対応が一般病棟に比べて圧倒的に多いです。
重症患者が多く、急変するリスクが高いからこそ集中治療室にいるわけですが、この
「緊急処置」「急変時対応」
が集中治療室看護師の醍醐味でもあると思います。
緊急処置に関しては、その方法やどんな処置が患者に行われるのか、どんな合併症のリスクがあるかなどを勉強する必要があります。
さらに処置中は患者のメンタル面のサポートや身体面のサポート、異常の早期発見など、見なければならないところがたくさんありますが、アドレナリンがドバっと出てとてもハイになります。
しっかり勉強した内容が活きる場面でもありますし、無事に処置を乗り越えたときの達成感はなかなか一般病棟では味わえません。
あとは急変時対応です。
急変時対応にも様々な内容が含まれますが、心臓マッサージ等を行うことが多々あります。
集中治療室で医師もすぐ近くにいることも多いですが、常に近距離に医師がいるわけではありません。
患者の一番近くにいるのは、いつも看護師です。
なので急変時は看護師がまず初期対応をしなければならないことも多いのです。
心臓が止まった
不整脈が出た
痙攣した
呼吸ができていない
意識がなくなった
暴れ出した
など色んな事態に巻き込まれますが、どれも一度対応を身に着けておくと、どこの部署で働いても動けるナースになれると思います。
最初は怖いですが、人は強いので、必ずできるようになります。
様々な疾患の急性期を学べる
集中治療室は病院によって専門分野化されている所も最近は多いです。
しかし、集中治療をされる方は基礎疾患もたくさんある方も多いため、全般的な知識が必要となります。
例えば、心臓の手術をした人。
術後に脳梗塞を起こしたため、脳外科の手術となった。
この場合は主科は心臓外科にあるけれど、脳外科も介入し心臓と脳の両方をみなければならなくなります。
つまり心臓手術後の急性期管理、脳梗塞後の急性期管理の平行治療です。
最初はハードルが高いですが、色んな知識を学べるのも集中治療室もメリットの一つです。
医療機器に強くなれる
集中治療室といえば、機械が多いって印象の方もいるかと思います。
薬の管理だけで全身状態を維持できない患者さんも多いのが集中治療室の特徴です。
薬の管理だけでも、輸液ポンプ、シリンジポンプといった機械を使うことも多いですが。
特に大掛かりなものであれば、PCPS、IABP、呼吸器、透析などが挙がるでしょうか?
専門分野に特化すればもっともっといろんな器機が出て来ます。
病態やコミュニケーションだけでなく、機械の扱い方、異常時の対応、原理なども理解しなくてはならないのは大変です。
最初は無理だと思っても、人はすごいもので気づけばだいたい使いこなしています。
集中治療室の機械になれて入れば、それこそどこの部署にいっても働けると思います。
よく新卒新人の方は2年目やそれ以上先輩の看護師を見て
「私は絶対あんな風になれないと思います」
と言われます。
ただ、1年経って同じ質問をしてみると、
「あの時は絶対に無理だと思ってました。まだまだ力不足ですけど頑張ります!」
という返事が返ってくる様になっています。
残業が少ないところが多い
集中治療室は病棟とは違い2対1看護の病院がほとんどだと思います。
2対1とは患者2名に対して看護師が1名という配分で受け持ちをするということです。
一般病棟では7対1だっだり10対1だったりと受け持ち患者が圧倒的に多いので、その分記録なども増えてしまい定時に帰れないことがほとんどだと思います。
その分軽症な患者さんではありますが、、、
集中治療室では2対1の看護と言いましたが、正確には
「2名の患者を受け持つ看護師もいるが、1名の患者しか受け持たない看護師もいる」
のが現状です。
集中治療室内でも重症と軽症の患者がおり、2名の患者を受け持つ人は比較的軽症な人が多いです。
患者を受け持つ人数が圧倒的に少ないので、
「重症すぎて記録する暇すらない」
「定時の時間寸前に急変や入院が来る」
ということがない限りは一般病棟の看護師よりよっぽど早く帰宅できます。
その分少し多く勉強したり、アフターファイブを充実させて心と体のリラックスをはかったりと自分次第で色々できます。
私の働いている集中治療室も院内で一番重症な人が集まる部署ですが、昨年度残業少ない部署No1でした。
患者が劇的によくなる姿が見える
集中治療室の看護師のやりがいの上位にも上がってくる内容です。
重症で生死をさまよっている患者も多い中、我々の看護や治療を経て、寝たきりから立てるまでに回復し、その後一般病床へ。
歩いて集中治療室まで挨拶に来てくれるなんてことが良くあります。
本人の顔は見違えるように生気に満ちていて、重症だったあのころの面影はなく、もはや一瞬だれだかわからないぐらいの変貌を遂げる人もいます。
挨拶に来てくださった患者は、集中治療室にいたことをほとんど覚えてないなんてこともありますが、
「病棟の看護師に本当にお世話になったから挨拶にいけと言われてきました」
と顔を出してくれます。
我々が行った看護がちゃんと患者のためになって、身体を癒しここまで回復してくれたんだなと思うと、本当にやりがいを感じる瞬間です。
是非この感動を皆さんにも味わってもらいたいです。
服装が違う部署が多い
今は医療ドラマなどでも看護師や医者はピックアップされます。
例えばコードブルーや救命病棟24時などを見て
「あの服装かっこいい~」
なんてあこがれが出た方もいらっしゃるかと思います。
病院にもよりますが、集中治療室では
「スクラブ」
といったナース服とは少し違う服装ができるころが多いです。
ちなみに私はエンジ色のスクラブです。
ドラマで先生役や看護師役の人が来ていたカッコイイ服装で普段から仕事ができるってだけでなんだか気持ちが上がりますね。
病院の集中治療室のスタッフがどんな服装をしているかはインターンシップや病院見学、ホームページなどから調べるとわかるかと思います。
気に入らない服ではモチベーションもなかなか上がらないですよね!
以上になりますが、集中治療室について少しでも知るきっかけになれば幸いです。
また、自分に合った集中治療室で働くには転職サイトがオススメです。