- 心電図検定とは
- 階級別の難易度と対象者
- 勉強方法
- オススメの参考書
- あると便利なグッズ
年に1回きりの試験なので、効率よく勉強し1発で合格を目指しましょう。
心電図検定とは
心電図検定とは、日本不整脈心電学会が検定と資格の立ち上げを行い2015年から実施されている検定です。
心電図検定は2019年より4級が追加され、現在4級から1級までの4階級あり、1級に向かうほど難易度が上がります。
合格すれば、認定証と専用バッチがもらえます。
心電図検定の難易度
心電図検定には階級があります。
心電図検定4級
心電図の基礎的な判読力を有するもの
循環器勤務数年のメディカルプロフェッショナル、心電図に興味のある医学生など
心電図検定3級
心電図の基礎〜中等度の判読力を有するもの
一般臨床医、循環器勤務メディカルプロフェッショナル
心電図検定2級
心電図の中等度~高度な判読力を有するもの
一般循環器医、循環器勤務ベテランメディカルプロフェッショナル
心電図検定1級
心電図の高度な判読力を有するもの
循環器専門医、心電図に深く精通したメディカルプロフェッショナル
【日本不整脈心電学会公式HPより】
私は看護師6年目の時に初めての受験でしたが、4級ではなく敢えて2級から受けることにしました。
4級を受けたいあなたへ
- 心電図検定を初めて受ける
- まだ臨床で働いたことがない看護、医学生
- 臨床経験1〜2年目の新人看護師
- 心電図が苦手だけど勉強したい方
- 今まで心電図に触れてこなかったけど部署異動等で心電図を取り扱う部署に移動する方
上記の様な方にオススメです。
入門と言える4級ですが、現場で使える知識がたくさん詰まっているので、侮れません。
3級を受けたいあなたへ
3級は第4回心電図検定までは一番下の等級でしたが、心電図超初心者には難しいと感じる人も多いものでした。
初心者というより、基本中の基本はすでに知っている方にオススメです。
- 臨床経験3〜4年以上
- 普段から心電図に触れる機会がある
- 基本的な心電図、不整脈は理解している
- 急性期患者の心電図をもっと読めるようになりたい
- 不整脈全般の幅広い一般的な知識を得たい
3級といえど、ある程度しっかりとした知識の定着と心電図を読む読解力は求められます。
2級を受けたいあなたへ
2級あたりから現場でよく心電図を見ていても知らない知識や読解が難しい内容が含まれてきます。
- 循環器内科、心臓血管外科の専門領域である程度の経験年数がある
- 心電図や不整脈の基本は抑えているから更なる知識と読解力を磨きたい
- 後輩や中堅を指導する際に自信を持ちたい
循環器病棟や心臓血管外科に入院される患者でよく見られる心電図など、マニアックな内容が多く含まれた印象があります。
3級よりも更に具体的な知識を問われるのと、3級よりもより複雑な心電図の読解が求められます。
慣れている人なら一目でわかる心房細動やST変化も、かなりややこしくして出題されることもあり、知識は付いている前提で読解力が必要となります。
1級を受けたいあなたへ
知識の幅や試験問題として出てくる疾患は2級とそこまで大差はないですが、、何より読解が非常に難しいです。
- 心電図について、なんでもわかる、答えられるエキスパートになりたい
- 不整脈の診断に関わる職種であり、どんな心電図も読める必要がある
1級は普段みんなが見慣れている不整脈一つにしても、ほかの不整脈に見えてしまうような難しい問題もあります。
オススメの参考書
参考書について、お伝えしたいことは3つです。
- 絶対に買うべき参考書は1つだけ
- 1冊では不安であれば、もう1つぐらい買うのもあり
- 参考書は多ければ安心するが、意味はあまりない
私が試験に向けてまず買った参考書は下記の1冊です。
心電図検定は過去問がないため、日本不整脈心電学会が公式で出版しているこの参考書は必須になります。
ただ、この参考書は解説がわかりにくい部分が多々見受けられるため、どうしても理解できない部分が出てきてしまいます。
そういった際に利用したいのが下記の参考書です。
こちらも日本不整脈心電学会が公式で出版しているものです。
マニアックな症例も載っているので、上記参考書は全て読み込むのではなく、自分がわからないと思った部分だけピンポイントに活用しましょう。
参考書はこの2冊あれば十分です。
心電図検定2級合格までに行った勉強方法
- 参考書を買う
- 参考書の中で一番難易度が低い問題から解いてく
- 回答を見て、自分が理解できない、わからない部分は必ず調べる
- 2周目は1周目の問題を含め、一つ上の階級の問題も解いていく
- 回答を見て、自分が理解できない、わからない部分は必ず調べる
- 自分が受ける階級より難しい問題は余程時間がない限り解かない
- 参考書は最低2周はする
心電図検定は過去問がないため、何から勉強して良いのかわかりません。
そのため、日本不整脈心電学会の公式の参考書の購入は必須です。
この参考書は過去問形式になっており、試験も同じ形式で同じような内容で出題されます。
さらに問題毎にその問題がどの級に値するレベルかも記載されています。
参考書の問題の難易度はバラバラに分かれているため、最初から綺麗に1問ずつ解こうとすると、自分の受ける階級よりも上の問題が出てきて心を挫かれてしまいます。
あと勉強する際に重要なポイントが1つあります。
問題の選択肢は全て確認し、なぜこの選択肢は正解か、なぜ違うのかを必ず理解すること
正解を当てるだけなら簡単でも、間違っている選択肢がなぜ間違いなのかを理解できると、読解力がグッと上昇します。
勉強期間に関しては試験の1ヶ月半前頃からまったり勉強を始めました。
毎日コツコツ勉強できる人であれば1ヶ月半ほどあれば十分合格できます。
心電図検定に向けてあると便利なグッズ
実際に検定を受けるにあたって、持っていると非常に便利なアイテムがあります。
循環器病棟や集中治療室であれば利用している方も多いかと思いますが、「メディカルデバイダー」と呼ばれるものです。
見た目はコンパスですが、両端が針状になっていて、心電図を読解する際に、PQRSTなどの間隔を測ったりするのに必要になります。
実際の試験会場では利用している人、していない人など様々でしたが、個人的には非常に便利なアイテムですし、持ち込みも禁止されていないので、持っていない方はぜひ購入して活用することをお勧めします。
心電図検定を受けた自身への学び
心電図検定を受けることで、自分自身の心電図の知識と読解力がかなり上昇しました。
他の先輩達が何気無くスルーしてしまう不整脈も自分はしっかりと理解している優越感もたくさん味わっています。
何よりも、心電図に対する自信がつくことで、臨床で働くことも楽しくなりました。
こうして心電図検定を受けてくれる人がたくさん増えて、患者さんにたくさんケアを還元できるといいなと日々思っています。